●今年から四季折々、意見、写真、メール等を紹介します。ご愛読を。

 ●更新日:08年12月5日

【日記の目次】
12月5日 アメリカからのホットな電話 写真:生駒山麓の朝
12月:景況感、テロ事件に想う 写真:晩秋の風景
11月:近況報告(下記):(白洲次郎の記念館について訂正しています)
10月:近況報告
7月:近況日誌
6月:本の好きな人開いてください【読書と旅】URL:http://n-shuhei.net/masablog/
5月:新着の本
5月:地球一周の船旅 
1月:年賀状、新年のぼやき(1月3日)

※CD:『船旅を楽しくする実践法』については、最新日記のあとに掲載しました。



【日 記】

●12月5日

【写真:生駒山麓の朝(12月4日、撮影)


【アメリカからのホットな電話】

124日午後8時半、床について間もなく、アメリカに出かけていたパキスタン人の友人から電話が入った。

「いま、朝の6時半、ワシントンから電話している」

彼は年に10回前後、日米を仕事で往復している。大体がワシントンとニューヨークで、ニューヨークにはマンションを30年間ローンで購入しているという。

「どうだい、アメリカの景気は?」

「アメリカにいる友人、知人はいつも通り勤務しているので、あまり変わったという感じはない。街の人出も以前と同じだよ。飛行機も満員だった。

ただ、ボクのマンション3,500万円が1,800万円に下がったように、1億円の住宅が5,000万円に下がっているのと、暴落した株式をどうしょうという話題がある程度だ。クリスマス商戦も相変わらず活況を呈している」

彼は経済の調査に行っているわけでもないので、どうしても表層的な景況感であるのは仕方がない。

「ビッグ3とか、失業率、リストラなどそちらは大変じゃないの?」

「だいたいアメリカのメディアは明るいニュースを伝えようとしている。日本のように悲観一色の報道はしない傾向がある。確かにビッグ3のニュースは大きく扱われているが、直接の関係者には影響があるだけだという受取り方だ。アメリカのアッパークラス(上層部)では貧乏人の世界にあまり関心を持たず割り切った見方をしている」

確かに、日本のメディアは悲観傾向を強調するところがある。あれだけ「日本経済は大丈夫だ」と言っていた政治家の発言も一変している。TVでは連日、非正規社員、派遣社員のリストラを伝えて不況色を煽っている。そういう報道姿勢で正義感を装っているようにも感じる。

考えてみれば、ビッグ3を凌駕するようにトヨタの利益更新にこれまで日本人はわがことのように誇りに感じていた。ところが赤字でもないのに大幅減益だけで、派遣労働者の首切りを行う。十分な内部留保を取り崩しながら耐えるということをしなくなった。昭和40年〜50年ごろまでは、首切りは経営者の恥だとモラルを大事にしてきた。

トヨタの工場で働く正規社員は同じように仕事をしていた仲間が突然、工場を去ることに「仕方がない」と思っているのだろうか。いまの社会状況が見えるような気がする。

内定者の若者を取り消す企業も出てきている。取り消す前に高齢者社員の早期退職を促したり、内部留保を取り崩したりして救済しないのか、まことに経営者のモラルが地に落ちた感じである。

最近、売上100億円前後の企業2社を取材した。従業員は100人前後である。99.9%が正社員だという。この規模なら派遣社員は必要ないという。しかも先代から従業員を大切にしろよと教えられてきた。全員で社員旅行にも出かける。来春の内定者を取り消すようなことはしない。売上が11月から2割ダウンしているが、3月期決算は下方修正もしていない。

「営業外利益まで取り崩す事態になれば、合理化も必要だがそれまでは人員整理は行わない」という。大企業も含め銀行離れが進み、無借金経営に近いところでも雇用に手をつける企業が後をたたないのとは対照的な企業である。社会の陰がこうした企業の横暴さを投影していることを自覚してもらいたい。経団連の会長会社が率先して首切りを断行している。会長をやっている資格はない。

GMなどが合理化案としてトップの年収1ドルにするという。税金を投入せよというなら資産をゼロにして出て来いと言いたいアメリカ国民も多いはずだ。

TVといえば、ゴルフの石川遼が1億円プレイヤーになったことばかり伝える。1億円プレイヤーになるまでの苦労をもっと伝えないと感動を呼ばない。あのトヨタの最高利益更新の報道と同じ轍を踏むに違いない。

 「ところで、日本ではインドのテロ事件はパキスタンのイスラーム過激派の仕業だと伝えられているが、それについてアメリカではどうだ?」
「つかまった犯人の訛りからヒンズー教のインド人だと伝える記者のコラムを読んだ。だいたい、犯人たちはムンバイのホテル内部について、ホテルの従業員以上に詳しかったそうだ。インドの右翼だという報道もある」
「その狙いは何だと思う?」
「問題はそこだ。いろいろ情報を分析して書こうと思っている」
「それは大事なことだ。期待しているよ」

【晩秋の嵐山、男3人で行く】

113日、友人男3人で嵐山の紅葉を見に行った。嵐電・四条大宮で待ち合わせ終点の嵐山まで乗った。行く先は祇王寺である。この日の朝、NHKで紹介したこともあってか、平日だが、たくさんの人が来ていた。大体、平日だと年配の人たちで混むが、この日は若い人たちが目に付いた。

土産物屋など商店が並ぶ沿道は人の流れが途切れることもないほどであった。嵐山の集客力はさすがである。次に訪れたのが常寂光寺。ここも風情のあるお寺で紅葉に映えていた。嵯峨野を巡って最後に渡月橋を見たあと、バスで祇園の居酒屋で一献傾けた。至福のひとときであった。

CD:『船旅を楽しくする実践法』を作成しました。



高齢化社会を元気に生きる

 船旅を楽しくする実践法 ピースボート&豪華客船 乗船記』


目次
第1章 ピースボートへの申し込み ―船旅の魅力とその意味―
2  準備で決まる成否―悪戦苦闘− 
3章 荷物の中身点検−必要なもの、余分なものは何かー
4章 地球一周の船旅(ピースボート)―船旅のコースと見聞記録−
5  日本一周の船旅(パッシフィック・ビーナス)―日本の世界自然遺産めぐり―
第6章 船旅と人生考―『老人と船旅』−
第7章 船旅の注意事項
付録;岡田清治監修 写真入寄港地ガイド


NET108発行   定価2,000円

●(CD『船旅を楽しくする実践法』ですが、ご希望の方はメールで申し込んでください=アドレス:okada007@sea.plala.or.jp、千円で郵送します。写真入り『寄港地のガイド日誌』は付録で収めています。

 


●12月1日(月)


お水取りで有名な奈良・二月堂:11月下旬撮影】

【身近に感じる景況感】

景気は相当、厳しくなっていると感じる。身近なことでもそう思う。たまに行く居酒屋の客数が明らかに減っている。不動産価格、とくに大都市のマンションが大幅に下がっていると聞く。新規採用を止める企業が増えている。

一方、ホテルでの恒例の豪華クリスマスショウが行われる。客数は判らない。1128日(金)の繁昌亭・昼席は満員で前日に前売りが完売であった。企業の中には来年も増収増益のところもある。そうした企業は、あらゆるモノづくりの業界で使われる製品を製造している。

いずれにせよ年末から向こう2年間は不況感が続くように思える。

【インドのテロ事件を見て思ったこと】(1127日)

かつて小泉・竹中がアメリカ新自由主義に沿って弱肉強食路線を推し進めた。結果、格差社会が一段と強まったというのが定説である。強いところが経済を引っ張るので貧困層のかさ上げをするという論理である。竹中氏がTVで「道なかばで中途半端な規制緩和だからであって路線は間違っていない」と釈明していた。

貧困層の多い、とくに発展途上国ではテロや暴動が頻繁に起こっている。当の政府はスリや引ったくりの類の事件にはほとんど目をつぶっている状態である。とくにスラム街の住民はそういうことをしないと生きられないと見ているからだ。

今回のインドやアフガン、イラクでテロ事件が後をたたない。国連軍や米軍がやっきになって掃討作戦を展開しても、一向に収まらない。それは恐らく貧困層が拡大してテロでしか生きていけないと考える人たちが次から次へと出てくるからだろう。
 命ある人間がそう簡単に自爆テロはできない。よほど追い詰められないとそうした行動はしないはずだ。できないと考えるのが普通であろう。

 テロ事件を抑えるのは軍隊でなく、貧困層の根絶こそが早道だと思う。NGOで活躍する人たちはそう信じて活動しているが、焼け石に水の感がある。

テロ事件は一方、宗教的な、とくにムスリム(イスラーム教徒)の原理主義者の仕業だという識者もいる。

私の長年の友人に日本に住むパキスタン人(イスラーム教徒)がいる。彼は最近、「アメリカ系パキスタン人」のテーマで雑誌に執筆した。彼によると、ニューヨーク市の名物の一つともいわれている流しタクシーのイエローキャブ(約42,000台)の運転手の多くはアジア系で、それらの運転手の内38%が南アジア、つまりパキスタン、バングラデッシュあるいはインドの出身者で、さらにその内の14%がパキスタンからの移住者であるという。

 アメリカ国勢調査局の発表によると
1990年に在アメリカのパキスタン人の数が約10万人で、2005年に永住権取得者を含めて21万 (正確に210,415)であったそうだ。しかし、それ以外に若干の不法滞在者なども含めると、アメリカにいるパキスタン人の数は21万人よりはるかに高い50万人弱との数字が妥当だという。

アメリカへ行けば素晴らしい未来に恵まれるという伝聞でアメリカ入国者が一気に流れを増したそうだ。この傾向は9.11の事件まで続いていた。しかし、事件後はパキスタン人だけでなく、他にもイスラームを宗教としている国々からアメリカへ渡る人々が極端に減ってしまった。パキスタン人だけでもこれだけのイスラーム教徒がアメリカにいる。世界中には大変な人口を占め、その多くが貧困にあえいでいる。テロの温床になっても不思議ではない。

日本でのテロ的事件は個人的な問題で起きているように見えるが、貧困層が増えれば、これが個人からグループに広がる危険があるだろう。自暴自棄になった彼らを利用する裏社会の人間も出てくるかもしれない。政治家は国民を貧困から救うことにもっと力を入れないと、インドのテロ事件は対岸の火事ではすまなくなる。


●11月12日

 しばらくぶりの更新です。ゴーストライターとして取り組んだ本『こころの遺言書』がようやく12月初旬に完成します。この本の紹介とともに近況、また日ごろの雑感を日記に加えました。内容は@地球一周の話をパワーポイントで行うA友人の豪邸に招かれてBあきれる昨今のTVCモラル低下の経済人C完成近い本の紹介―。

【地球一周の話】

 地球一周の船旅を異業種交流会で話す機会がありました。船中で作成したパワーポイント(写真360枚)と各地で購入した地図を使って話しました。いままで講演、卓話など数多くやってきましたが、定年後はほとんど機会がありませんでした。

 今回ほど気分がよかったことはありませんでした。考えてみますと、お互い利害関係のない仲間ですから気兼ねせず、また講演料無しで話せたこと、一方質疑も自由に行われましたことが、話したあと爽快な気分になったのだと思います。また、話の内容も気分を楽にしてくれました。これからも機会があれば続けたいと思っています。

【仲間の自宅に招かれて】

先日、サラリーマンを引退した友人3人と、そのうちの一人がひとり暮らしする豪邸で談笑する機会がありました。庭の渋柿でつくった干し柿が出されました。彼の手製の干し柿はなんとも美味でした。その後、いろいろな手料理をつくってもてなしてくれました。カツオは近くの百貨店の魚屋に事前に注文する念の入れようでした。舌鼓を打ちながら話は大いに盛り上がりました。

 話題は広範囲に及びましだ。

 団塊の世代以前のサラリーマンは逃げ得というか、いい時代を過ごせたことで意見が一致しました。いまのサラリーマンは元気がなく、自由度も縮小しているとの印象だということも同じでした。 政治家も経営者も小粒で世界をリードできる人物が出てこないとそれぞれが感じました。

 仲間の一人が東京都町田市にある白洲次郎の記念館「武相荘」見てきたことから白州次郎のことで盛り上がりました。「武相荘」は 武州の国と相模の国の国境にあるのと無愛想をひっかけたと言われているそうです。ご興味ある方は武相荘のHPアドレスhttp://www.buaiso.com/)をご覧ください。 

 彼ほどの人物がいまの日本にいないことが残念です。

 私は彼の著書(ほとんど残していない)を読んでいなかったので帰宅後、『プリンスプルのない日本』(新潮文庫)を読みました。さすがに吉田茂が一目置いた人物だということがわかります。この本を読んで敗戦後、いや戦前から官僚も政治家も変わっていないことをつくづく思いました。要は小悪人だということです。考えてみれば、人間に欲という業がある限り永遠に変わらないということだろうと思います。

 政権を交代しながら国の運営をやれば、少しはましだと思うのは、私だけではありますまい。

 それにしてもアメリカ大統領選を見ていて、そのエネルギーのすごさに驚嘆します。やはりビフステーキとお茶漬けの違いですかね。しかも誰もが想像をしなかった黒人大統領が実現したアメリカ、そしてアメリカ人は驚異です。TVからもその感動が伝わってきました。

【最近のTVを見ていて】

 ワイド、報道とかで登場する評論家(一部は除く)のコメントほどつまらないものはないと思います。大半がきれいごとで、理想論で実体験がないものだから聞いていて空虚から腹立たしくなるのです。橋下大阪府知事の教育委員会や一部ハネアガリ教師を批判したことに対しても教師側を擁護したり、橋下知事を攻めたりするが、大事なことは自分がその立場に立って改革ができるのかどうか自問してから発言すべきでしょう。

 橋下知事については当初、食わず嫌いというか、その風貌からいま一つ評価できませんでした。ところが、今では彼の勇気ある発言、行動力を見て敬服しています。その点、大阪市長はかすんでみえます。

 TVタックルはよくみますが、国会議員(一部は除く)はもう少しうまく話すことができないと、ただ叫んでいるようにしか聞こえないことがしばしばです。また自分で分かっていても人には伝わらない話し方は損をします。それにしても自己主張が強すぎて中身がまったくないのは困ったことです。

 とにかくいまのTV、特に民放ほどくだらない内容がない番組が多すぎます。無料で安易に見られるのでスイッチを入れるが、制作している側もどうも感じないのかと思うほどのお粗末な内容です。またTVコマーシャルにひところのサラ金に代わって外資系の保険の広告が嫌というほど流れています。それほど保険は儲かるのかと不思議で仕方がありません。倒産しかかっているAIGの関係会社だけになおさらです。これも民放イメージを悪くしています。

 防衛省の航空幕僚長が「先の戦争で日本を侵略したといわれることはない。それは濡れ衣だ」という論文を発表して更迭されました。本当に驚きました。この論文をインターネットで読んだ感想です。

 侵略を濡れ衣と思うことは自由でありますが、公に発表する場合は立場上当然、問題になります。よく言われているように防衛省の幹部としてはシビリアンコントロールが最大の問題です。

また、侵略されたと思っている相手(国)がいる限り、その論理は通用しないのは当り前のことです。それをわかって発表したのならなにか裏を感じます。

 私が一番、残念に思うことは、先の戦争に対してあれだけの民間人が亡くなったことに対する責任が述べられていないことです。

 論文は多くの人が指摘するように感想文の域を出ていません。相手のワナだとか、濡れ衣だという側面はあったとしても、戦争に突入して敗戦した責任は残ります。

 そして自前の憲法と軍隊で自国を守ることだと締めくくっていますが、原子爆弾が登場して第三次世界大戦は起せなくなったのが現実で、軍隊の力は限界があります。また、自国を守る軍隊のためにどれだけの資金が必要で、それが国民をどれほど苦しめることになるのかという国家財政についてはまったく触れられていません。どれほどの軍備力を備えても完全に守ることは不可能です。

 日露戦争や先の戦争でアジアを白人支配から解放し、対話の世界を実現したのは日本だと言いますが、日本の力だと思う気が知れません。

 白州は「戦後まもない朝鮮戦争特需を産業人は喜んだが、命を失う戦争で潤って喜ぶとはどういう神経の持ち主か。特需が終わると、再軍備の声を上げるのは、戦争で儲けようとする魂胆が見え見えである」という意味のことを指摘していました。航空幕僚長はそうした産業人に加担しようということがないことを願いたいです。

【モラルに鈍感な経済人】

今回の金融不安で銀行の体質に改めて腹が立ちました。公的資金を注入して責任を問われるぐらいなら、貸しはがしするという。経営の失敗(不良債券の購入など)があったから、システムの安定のために資金注入するのです。責任が問われて当然です。金融機関とか保険会社の人間は小役人的性格の人間が多過ぎます。付き合いのある銀行の支店から資産運用の話がよくきました。そのつど、「へたなことしたら大変なことになります。一切、預金以外には関心がありません。それよりおたくもサブプライムローンで大変なことになるのではありませんか」と問いました。

「わたしどもが、おかしくなるようなら日本がつぶれますよ」と、支店長ともども担当行員は鼻で笑っていたことが思い出されます。株価暴落以後、一切、勧誘しなくなりました。

まだメーカーの人間はましだと思っていますが、ただ食品、建設などマスコミとの接触(記者クラブ)がほとんどない業界の経営者のモラルの低さが目立ちます。

事が起こっても、健康被害はありませんとヌケヌケといいます。こうした発言はたいしたことではないといっているのと同じであることが理解されていないか、責任逃れに聞こえます。

【完成した本】

半年かけてゴーストライターとして取り組んだ『こころの遺言書』が近く完成します。ゴーストライターで本を執筆したのは今回が初めてですが、難しかったです。書名から受ける印象は抹香くさい内容に感じられるかもしれません。

この本の著者は京都で小さな珈琲店「ロマン」から日本一の洋菓子店を志した人の話です。脱サラで珈琲店を立ち上げその後、高級洋菓子店・マールブランシュ、高級焼き鳥店・侘家古暦堂の展開など、洋菓子が好きな人ならマールブランシュの名前を知っている人も少なくないと思います。

いまも現役の会長ですが、80歳を過ぎ後継者に残したいと考えたのが、おもてなしのこころです。こういう食品店で一番、大事なことだという信念をもっておられます。おもてなしの実例集、ノウハウといった内容です。完成後、もう少し詳細にお伝えします。

また、続いて次作に取り組むため、情報収集をはじめています今日この頃です。

お読みいただきありがとうございます。(11月12日)



●10月2日(木)

 HPを開設していますと、しばらく更新しないと、「どうなっている」と、時折、注意されることもあります。「くたばっているのでは?」というご心配をかけることもあります。

 実は船旅を終え、それをまとめたCDを発行して以来、気が抜けたビールのような状態に陥っていたことも事実です。しかし、帰国してすぐ単行本の執筆に取り組み、ようやくこのほど原稿を仕上げ、現在、印刷所に入稿して最終の追い込みとなっています。

 こうしたなかで仕事は以前に比較、大幅に減りましたが、一部取材もしたり、友人に会ったりしています。一方、蔵書の整理、生駒山への毎日の散歩、写真撮影、小旅行も続けています。

 蔵書のなかで先の戦争について従軍記者だった父の資料を寄贈することを考え、知人にも相談しましたが、日本には公的な戦争資料館(先の戦争)がないことが分かりました。靖国神社か広島の原爆資料館があるぐらいです。いまなお、昭和初期から終戦まで、とりわけ先の戦争を次代へ伝える施設がないのは残念です。これは歴史認識でも立場によって異なるため、いまだに実現していないのでしょう。

 最近、わが家の二人のカメラマンが撮った季節の写真を掲載します。

秋に拾う



 ●シオカラトンボのランデーブ



 ●「こまったな」と嘆く、蜂に襲われたアオムシ



 ●「秋の宝石」、ルリタテハの幼虫です



 ●ススキを綱渡りするバッタ







地球一周航海写真日誌



パラダイス湾から見た夏の南極大陸
◎南極の天気は日々、激しく変わります。この日は珍しく快晴でしたが、
 翌日は嵐のような天候です。




リオ(ブラジル)のパンの山】


◎08年7月31日(木)近況日誌

 久しぶりに日記を更新しました。この2ヶ月余りは日本一の洋菓子店を目指す創業者のゴーストライターとなり、ようやく脱稿しました。詳細は出来上がり次第報告します。とくに社員教育には役立つ本です。


 その間、CD本(上記)を自費製作で出版、「すべて読むのに約6時間かかった」という友人からの報告もありました。出版後、誤字、脱字も見つかり、申し訳ないと思っていますが、情報量、内容についてはお世辞半分としても、少しは役立っている反響を感じています。
 これからも精査を加えながら記録として普及していきたいと思っております。ご希望の方は郵送料込み千円で送らせていただきます。


 CD本を読んだ知人の友達が「ケープタウンの石をわけてほしい」と頼まれ、さっそく持参するという思わぬ反響もありました。


 HPを開設しておりますと、驚くような問い合わせがあります。ひとつは某新聞社の編集員からその方の知人の紹介があり、会ってほしいという依頼でした。
 その方はロンドン大学のアジア・アフリカ研究学院の若き研究者(日本人)で、陶芸家・三代目清風与平(私の父方の祖母の父親、つまり曾祖父、皇室技芸員=現在の無形文化財保持者)の調査をすすめるなかで、私のHPに行き着き、知人の編集員を通じて協力依頼がありました。


 どこまで資料があるか、目下、調べていますが、今夏、夏休みに帰国する折に拙宅へ来られることになりました。
 いずれにしましても遠くロンドンの研究室でHPをご覧になっていることに、ITのすごさに驚いています。


 もう一つは、私の祖父が大塩平八郎の研究家であったことから、親父も大塩平八郎について『雪華の乱』(中央公論社)を刊行しております。大阪の大塩平八郎の研究者(女性、HPのトップページの大塩平八郎に彼女のHPを掲載)から問い合わせがありました。
 祖父の岡田播陽の「学生評論」(復刻版、京大の学生が編集・発行)に掲載された「大塩平八郎百年忌に寄す」の論文を送ったところ、大変喜んでいただきました。


 とにかく、曲りなりにいまも執筆の身で整理がへたな人間ですから問い合わせがあった時に、苦労しますが、すこしでもお役に立てばという思いから可能な限りお答えするよう努めています。


 最後に、愚妻が「風景フォトコン」で入選した(7月11日付朝日新聞夕刊で発表)リオデジャネイロで撮影した「霧に浮かぶ=上のパンの山の写真」(観光で行って、空中に浮かぶゴンドラを並べて撮るは難しかったでしょうという審査員の講評に、「自分の狙いが伝わって最高!」と喜んでいます)が約24倍の難関を突破して選ばれました。表彰式や全国各地での展示に自信を深め、地球一周で撮り溜めした作品を次から次へ応募しそうです。
 応募写真についてはこれまで写真店で焼いていましたが、自宅のパソコンでソフトを使えば、そん色のない写真ができるようになり、私の仕事がまた一つ増えました。


 この9月からはドキュメンタリータッチの評伝の執筆にかかります。この取材をいまから楽しみにしている今日この頃です。


◎08年7月2日(水)

 元読売新聞記者だった土井雅之氏の読書と旅を綴ったブログです。内容がすばらしいのでぜひ、紹介したいとリンクしました。1面又は上記のURLから簡単に入れますので、ぜひお読みください。
 日記の表紙から引用しますと、
、「なにか書いてみたい」。定年後二年、女房の三回忌も終えて、そんな気持ちが強くなった。書くために旅をし、本を読む。親友N君の助けで始めるこのブログを、そんな駄文日記にできれば。


◎08年5月26日(月)

 長い留守の間に、友人から著書4冊が届きました。下記に紹介します。これらの本はそれぞれ定年になり人生をまた、これまで温めていたものを書き残そうとしたものですが、大変な労作です。
 私もいま、シリーズで人生読本のような評伝の執筆に取り組んでいます。第一弾は日本一のケーキ屋を目指す物語です。刊行の折に紹介させていただきます。


【新着の本】
◎『橋は架からず』(上野慎一郎著):明治17年、朝鮮で甲申政変と呼ばれている開化派クーデターの失敗の原因、それを仕掛けた日本政府の朝鮮政策の変化など、大変、興味深い内容です。
 著者の上野氏は朝日新聞経済部記者を長く務めたあと、定年退職後,,自費でソウルに1年、この本の調査のために滞在、資料集め、検証作業をして執筆された労作です。その後、2年の予定で蘇州を拠点に活動されるなど精力的な日々を過ごされています。(ご本人の指摘により、一部訂正して再掲載しています)



◎『いきいき定年 わが青春復活の一人旅』(藤井敏男著):著者は松下電器の広報部門に長く勤務、私も現役のころ大変、お世話になった方です。藤井氏は現役中からアウトドアースポーツ、とくにカヌーをやっていたそうです。(知りませんでした) コロラド川、テムズ川、ドナウ川にカヌーを漕ぐなど、元気にしてくれる内容です。



◎『夢のままにー随筆集ー』(中井鼎三著):著者は大阪ガスの広報、秘書部門に勤め、阪神・淡路大震災で被害を受けられました。大変な文化、教養のある方で、今回の著書もハードカバーの46版の一回り大きいサイズで615ページに及ぶ大作です。若い人たちに伝えたい内容を選択してまとめられたそうです。



◎『明治生まれの父と大正生まれの私 −私の回想集ー』(久保田賢三著):著者は80歳ですが、私は駆け出しのころ私的な勉強会で知り合った人です。化学会社の役員までなられ好奇心が旺盛な方です。



 以上、4冊はきせずしてシニアになられて書かれたものです。人は自分史を残す願望をもっています。いま自費出版はこの分野で大変なブームになっていますが、出版社によっては暴利をむしりとりますので、これから出版される方はご注意ください。




●新年のぼやき(1月3日)





【奈良公園・飛火野=1月2日朝、撮影】

まず、平和で迎えられたことを喜びたい。

資料を整理していたとき、父、岡田誠三が降伏前日の1945814日夜から直ちに筆を起こして書いた『小説 日本降伏す』(人民会議創刊号)に載った第1章が見つかった。

原子爆弾投下とソ連参戦でこの日がくることは予想されたが、無条件降伏の瞬間はショックだったそうだ。その前日、大阪湾から侵入してくる小型機の編隊が原子爆弾を投下する危険があるとラジオで注意があったという。

「最後まで自己の面子のために降伏に反対していた陸軍がついに折れたのだと思うとき、心から戦勝にもひとしい喜びがあがってきた」と、絶望的な気持ちから救われたと書いている。

「今度の大戦の勃発と終結について一般国民の印象としては、『朝、目をさましたら、戦争が始まっており、また朝、目をさましたら戦争が終わっていた』というのが、偽らざるところであった」と。

「国民は何も知らされず、ただ軍部の圧力と政府の指導のもとに馬車馬のように、一本道をひた走りに走っていたのである。」

 いかに陸軍の無知と無謀さに苦しめられたがわかる。はたしていまの日本は防衛省も含め暴走する危険をはらんでいないだろうか。官僚機構があまりにも強力で自己の権益を守ることに汲々としている姿は、昔、陸軍、今、官僚を彷彿とさせる。それだけに平和な日本で新年を迎えられたことはなににも代えがたい。

●今も戦争の傷跡

 知人からメールが届いた。昨年、兄の遺骨収集を求めてニューギニアに行かれた。こうした活動を続けられていることに敬服している。

 「小生昨年のニューギニア巡拝以来、政府への緊急調査申し入れから写真展、報告会などで走り回り、とうとう11月13日から12月半ばまで入院する破目になってしまいました。ちょっと頑張り過ぎたようで、心臓が悲鳴をあげたとぴうことです。トシを考えろ、とあちこちで叱られました。でも、散乱遺骨を見てしまった者の責任として、もうほとふんばり、と思っております。


 写真展を福井で開催しましたときに、東部ニューギニア戦線生き残り、という人が訪ねてこられました。聞けば南海支隊所属でブナでも戦い最後はオースタンレー山脈を越えて逃げ回ったと。まさにお父さんの行程そのものでした。とても興味深く状況を伺うことができました。感銘をもって聞かせてもらいました。いずれ機会をみてゆっくりインタビューしたいと思っております。

 8月にはニューギニア関係を中心に戦争資料展を「太平洋戦史館展」として、大阪で開く計画が持ちあがっております。また具体的になりましたら、ご連絡致します。」
             

●嗚呼、日本(初老のぼやき)

紅白歌合戦を見て、舞台が華美華燭で日本の終末を感じさせられた。紅白は衣装の品のない歌手も多く、応援団もわずらわしいものであった。

その前、日中合同の歌のショウが中国で行われ、BSで放送していたが、その舞台は品があって落ち着いたものを強く感じた。また紅白と同じ時間帯にサンテレビ(全国共通の番組)でやっていたなつかしい実力派歌手のショウは、歌も舞台もよかった。

演劇では、年末、新人の漫才家を発掘する番組を見た。敗者復活の二人(仙台出身で苦労人)がグランプリを獲得、話題になった。これらの漫才も早口であるため、上手であっても笑う間がない。マクドナルドをはじめ、若い人の話し方は早口言葉で、分かりにくいのと共通している。

一番、感じるのはモノが溢れていることだ。しかも次から次へ新製品を市場に出す。あのニコンもデジタルカメラになってから、新製品のサイクルが短すぎる。多くの家電製品、パソコンメーカーも季節ごとのモデルを売り出し、修理費が高い上に、古い機種だと部品が残っていない。

イギリスでは100年経ったモノでも修理する。モノを大事にしている。日本のメーカーはそんなことをしたら、技術が遅れるという。何を言うのかと思う。イギリスこそノーベル賞を一番多く獲得している。日本はそうした技術を応用しているだけだということを忘れてはならない。資源の浪費がひどすぎる。

今年のサミットで環境問題を取り上げ、リーダー的役割を果たしたいと政府は思っている。どの国も日本がすべきは過剰生産を抑止することだと考えているに違いない。どれほど資源を無駄使いをしているか、他国は知っているので、日本の発言はまともに受け入られない。

少子化対策といって、子供手当てを少しばかり増やしたり、ある市では子供を育てている家庭に買い物で割引するという、そんな泡沫的な対策ではどうにもならないことは、分からないのかと思う。

少子化対策は働く女性が安心して子育てできる保育所を充実して、女性が仕事と家庭を両立する環境整備が一番の早道である。財政難といって決してやらないが・・・。

今年の景気はおそらく、かなりの悪化が予想される。日本人はとことんのところまで行かないと目覚めない。先の戦争でも殲滅される寸前でかろうじて救われた。救ったのは連合軍、なかでも米国の力によった。明治維新は黒船の出現である。いまも自らの力では変えられないだろう。いや、ひょっとしたらタカ派的なリーダーの出現によって右傾化の道をたどることも考えられる。そうなれば、同じ悲劇の道をたどることになるだろう。

日本は品格のあるしっとりした文化国家を目指し、老いも若きも安心して住めるようにしなければならない。それには価値観、仕組みを変えることになるので、既得権で固まっている状態では一挙にはいかない。向こう100年ぐらいの期間に少しはましな国になることしか期待できない。あるいはその前に衰退して、「日本という国があったな」と、他国から言われているかもしれない。


●年賀状

 2008年の元旦を迎えました。本年もいろいろ情報を掲載してコミュニケーションを図りたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。


 毎年、花シリーズで賀状を作成しています。本当はヤマシャクヤクにしたかったのですが、山での撮影の機会を逃しました。それでクサギの実にしました。


 元外交官からの年賀状に「昨年ほど民意が国を動かしたことはありませんでした。画期的な出来事です。今年が楽しみです」と、ありました。果たして、どうなりますか、じっくり観察をしたいと思います。









 日記 08年